内臓整体、便秘編

秘(中国セミナー)

日本内科学会の定義
o3日以上、便通がない状態
o毎日排便があっても、残便感がある状態
日本消化器病学会の定義
o排便が数日に1回程度に減少
o排便間隔が不規則で、便の水分含有量が低下している状態
日本緩和医療学会の定義
o腸管内容物の通過が遅延・停滞し、排便に困難を伴う状態
どの学会も総合的に見て、「数日間、便通がなく」「出ても残便感のあるもの」を、便秘と捉えていることがわかります。
◎西洋医学における便秘症

◉概要

西洋医学的には明確な定義はなく、
排便が困難なものとされているが、
症状は
数日排便がなかったり、便が硬くて便量が少なかったり、
腹痛や腹部の膨満感があったりである。
患者は乳幼児から高齢者までで、
男性が約30%、女性が約70%近くと言われている。

西洋医学的(便秘外来的)に患者は
大きく7種のタイプに分けられ、
それぞれ原因、治療方法は異なってくる。

◉原因と治療・改善方法

【大腸の名称】

①直腸・肛門型便秘
上図の直腸、S状結腸に便が溜まり、
便意が起こらない便秘のタイプ。

【原因】
・排便をしたいと体がサインを出している(便意)にも関わらず、
 排便を我慢してしまい、便意がなくなってしまう習慣性のもの。
・加齢により、便を押し出す筋肉(肛門括約筋:コウモンカツヤクキン)の衰え。
・ガンやポリープが直腸にあり、便の通りを塞いでいる。

【治療・改善方法】
便を軟らかくすることが大前提のようで、
・整腸剤の服用
・ヨーグルト等の乳製品の摂取
・納豆、キムチ等の発酵食品の摂取
・水分を多く摂る
・必要ならば浣腸
が解消方法、治療方法とされている。
これは、患者の症状に合わせて決められる。

②大腸の蠕動運動不全
(ゼンドウウンドウフゼン)型便秘
大腸は、便を外に追い出すべく、
縮んだり・緩んだりして(*蠕動運動)いるが、
この動きがしっかりしないために、
大腸の至る所に便が溜まっているタイプ。
*東洋医学における大腸の伝導機能と同じである。

【原因】
・先天的(生まれつき)に、腸の蠕動運動が弱い

【治療・改善方法】
・蠕動運動を促す薬の服用
・整腸剤の服用
・起床時に水を飲み、腸に刺激を与える
・入浴時に、お腹をマッサージする

③ストレス型便秘
ストレスや疲労から、
大腸の蠕動運動に関わる*自律神経が乱れ、
結果的に蠕動運動自体が乱れてしまい、
便秘になるタイプ。
*自律神経:発汗や消化、吸収、血液の循環、代謝など、
無意識に働く体の機能を制御する。

【原因】
・過度のストレスや疲労など

【治療・改善方法】
・乳酸菌を含んだ整腸剤の服用
・ストレスを和らげるように、リラックスするように心掛ける

④直腸・肛門型 + 蠕動不全型便秘
上記①と②の複合タイプ。

【原因】【治療・改善方法】は各タイプを参照下さい。

⑤直腸・肛門型 + ストレス型便秘
上記①と③の複合タイプ。
【原因】【治療・改善方法】は各タイプを参照下さい。

⑥蠕動運動不全型 + ストレス型便秘
上記②と③の複合タイプ。

【原因】【治療・改善方法】は各タイプを参照下さい。

⑦複合型便秘
上記①②③全部の複合タイプ。

【原因】【治療方法】は各タイプを参照下さい。

上記にあげた7タイプは、
大多数の患者に当てはまるようだが、
中には
・症候性(ショウコウセイ)便秘:
何らかの病気によって起こるもの

・薬剤性(ヤクザイセイ)便秘:
薬の副作用によるものがあり、
問診や診察、内視鏡(ナイシキョウ)検査をして
鑑別し、それぞれにあった治療を行う必要がある。

ただ便秘は、
日頃から予防が出来るとされ、
食事・水分摂取・適度な運動を意識することが
大切だとされている。

我々は、主に習慣性便秘を扱う。

(病因病機)
 多くは、臓器の機能失調症。 津液不足が多い。 主に、大腸の伝達失調、肺、胃、腎臓機能失調と関係する。 

大腸:「糟粕の伝化」という働きにより、便を形成、排泄する。
肝:「疏泄作用」により便をスムーズに排泄する。
脾:「運化作用」により飲食物を排泄しやすい形で大腸に送る。
胃:「通降作用」により飲食物を腸に送る。
腎:「肛門に開く」特徴を持つため、肛門の働きをコントロールする。
実証: 多くは、陽性体質で、お酒飲みすぎ、辛いものや味が濃いものを好む。それで、
    胃腸に熱が溜まり、津液が不足し、腸が動かなくなり、働かなくなる。
     大便出にくい、3~5日に一度の排出、お腹張り痛い、便通後、気持ち良い。
    頭痛や気持ち悪くなる時もあり、口苦くなり口臭、小便の色黄色、または赤い、 
    舌苔黄色、脈実。
虚証: 考えすぎて、脾を痛める。 食べ物も偏食、食も細い、少しの労働で疲れやすい、  
    腸に気血運行不足、胃腸機能低下、体力低下、気血消耗、気虚即ち伝達能力不足  
    血虚即ち腸の機能低下、或いは、下焦の気不足、陰に属し、冷えて、腸が動かな 
    い。
     大便出にくい、顔色白い、眩暈、食欲不振、手足冷たい、動悸、物忘れ。舌淡 
    色苔薄い、脈細。

(治療)
推拿 用いる一指禅。 胃兪、大腸兪、中脘、天枢、大横、関元、支溝、上巨、公孫。
実証 肝兪、期門、大巨、内庭。
虚寒証 命門、腎兪、気海、足三里。

2、実技
 
1、五つの括約筋
2、横隔膜
3、十二指腸
4、頸椎
5、用灸
6、脊柱
7、座位にて、矯正
8、自己治療

     

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