逆子とは
ふつう、お腹の中の赤ちゃんは頭を下向きにしていますが、何らかの原因により頭の向きが上向きになったり横向きになったりしている状態を逆子といいます。
妊娠初期から中期にかけて、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で自由に動き回っていて、妊娠中期には半分くらいが逆子であるとも言われています。
それが妊娠後期では、赤ちゃんの頭が次第におおきくなり、重力に従って重い頭が自然に下向きになっていきます。
妊娠後期になって、28週を過ぎた頃に頭の向きが下向きにない場合に逆子と診断されます
逆子になると、母親の身体と赤ちゃんを結ぶへその緒が頭より先に出てしまう事になります。
この時、へその緒が産道に挟まり、赤ちゃんの脳への血液循環が悪くなってしまうと、赤ちゃんは危険な状態に陥りやすくなります。
この為、産院では分娩の際にこの逆子を認める場合は、そのほとんどが帝王切開を選択しています。
逆子の危険性
逆子の原因
妊婦の下腹部が冷えているため、胎児が頭を置くべき位置が快適でないので逆子になっている。
妊婦の呼吸が浅いため、胎児が頭を「みぞおち」に置いても平気なので、逆子になっている。
妊婦の子宮周りが緊張して胎児の動きが制限されているため、逆子の状態を反転できない。
妊婦の左横腹に胎児が背中をもたれかけ、右横腹に顔を向けた姿勢で安定している逆子が多い。
胎児に関係がある場合〔未熟児・奇形・多胎/双子以上など)
羊水過多あるいは過小による逆子・・・羊水とは、赤ちゃんを包みこむように満たされた母胎内の水分です。外界からの衝撃や体温を一定の状態に保っています。
前置胎盤による逆子・・・前置胎盤とは、胎盤全体もしくはその一部が子宮口をおおう位置にある状態の事です。出産時に胎盤の大部分が剥がれ落ちた場合、大出血を引き起こす危険を伴います。
子宮の奇形及び骨盤内に腫瘍を認める場合〔子宮筋腫、卵巣嚢腫)
子宮及び腹壁弛緩による逆子
へその緒の過長による逆子
等が挙げられます
分類
単殿位
赤ちゃんのお尻が下になり、かつ足が上向きになっている状態です。
逆子の中でも一番多いです。
複殿位
赤ちゃんのお尻が下になり、膝が曲がっている状態です。
両膝を抱えるようにして、体育座りのような状態を全複殿位。
片膝のみが曲がっていて、片方の足が上に上がっていれば不全複殿位と言います。
膝位
赤ちゃんの両膝または片膝が曲がっていて、その膝が下を向いている状態です。
足位
赤ちゃんの足が伸びていて、ちょうど赤ちゃんがお腹の中で立っているような状態です。
この内、単殿位の状態や複殿位の逆子状態であれば、自然分娩が可能な場合もありますが、出産にあたっては、起こりえるリスクを最小限にする為、やはり帝王切開の選択を取ることも多いようです。
骨盤位・横位・斜位などの逆子のことを東洋医学では「胎位異常」または「胎位不正」といいます。
胎位が異常(逆子)になっても、胎児が足を蹴飛ばして前転するような動作を繰り返していけば、自然に位置が戻るという考え方で、胎動を増加させる目的で灸治療をします。
逆子に関係するものとしては、「任脉」「衝脉」「腎」「肝」「脾」という経絡や臓腑が考えられます。
これら経絡を巡る気血の過不足を鍼灸で整える事と、昔から逆子の特効穴として使われているツボにお灸治療をしていきます。
<灸治療で治す逆子・逆子に効くつぼ>
「腎」「肝」「脾」の三本の経絡が交差する「三陰交」というツボは、子宮を巡る気血循環に大きく作用と、子宮の緊張を弛める作用もあります。また、安産のお灸としても知られています。
さらに足の小指末端にある「至陰」というツボは「腎」に関わりが深く、また陰と陽の境目にあるというツボの特性から、逆子の状態の上下の逆転した赤ちゃんの頭を正常な位置に矯正する作用があります。
いずれもお灸がよく効きます。はやく逆子を治すために、自宅でもお灸をしていただきます。
また、逆子が治った後も、逆子に戻らないようにお灸治療をつづけるといいでしょう。
縁心鍼灸山治療院での逆子のお灸は市販のお灸とは異なりますし、自宅でお灸をやるよりも効果が高いです。
東洋医学での逆子のお灸治療